Webサイトにおいて、UXデザインは重要な要素です。
UXデザインが不適切だと、ユーザーが不快感を覚え、離脱率が上昇するリスクが高まります。
しかし、理想的なUXデザインを実現することは簡単ではありません。
UXデザインを改善するには、ユーザー目線に立ち、導線や表示速度にまで配慮する必要があります。
本記事では、UXデザインの重要性や失敗例などについて解説します。
また、高い評価を受けている企業のUXデザインの事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 1 WebサイトにおけるUXデザインとは
- 2 UXデザインの失敗例
- 3 UXデザインの成功事例10選
- 3.1 ユーザーの音楽体験に配慮したUXデザイン|Spotify
- 3.2 ほしいレシピをスムーズにチェック可能|クックパッド
- 3.3 視聴者が理解しやすいようにショート動画を活用|DELISH KITCHEN
- 3.4 多彩な機能できめ細かなニーズに対応|ZOZOTOWN
- 3.5 優れた機能でユーザーを手厚くサポート|Airbnb
- 3.6 UXデザインを強化して快適な視聴体験を実現|Netflix
- 3.7 日常使いできるアプリケーションを目指して操作性を改善|千葉銀行
- 3.8 購入体験を最適化するUXデザインを導入|Amazon
- 3.9 コミュニケーションを円滑にする機能が満載|LINE
- 3.10 UXデザインのリニューアルに成功|JINS
- 4 成功事例からわかる3つの共通点
- 5 UXデザイン改善のポイント
- 6 ImgixをUXデザインの改善に役立てよう
- 7 まとめ:事例から学んで最適なUXデザインを実現しよう
WebサイトにおけるUXデザインとは

Webサイトにおいて、UXデザインは無視できない要素です。
本章では、WebサイトにおけるUXデザインの重要性や、UIとの違いについて解説します。
UXデザインの重要性
ユーザーに利用されるWebサイトを目指すうえで、UXデザインは注意しなければならないものです。
そもそもUXはUser Experience(ユーザー体験)の略称であり、ユーザーが製品やサービスを購入するだけでなく、Webサイトを利用した際に得るすべての体験を意味する用語です。
UXは使いやすいことだけでなく、「Webサイトを利用した際に、ユーザーがどれだけスムーズに目的を果たせるか」に配慮する必要があります。
ユーザーにストレスや不快感を与えず、Webサイトを通じて快適な体験を提供することが、UXデザインの役割です。
UXとUIの違い
UI(User Interface=ユーザーインターフェース)は、UXと混同されやすいですが、意味が異なる点に注意しましょう。
UIは、ユーザーと製品やサービスとユーザーの接点を意味する用語です。
Webサイトの場合、レイアウト・フォント・ボタンなど、装飾やデザインにあたる部分がUIです。
UIは「Webサイトを利用した体験」ではなく、「ユーザーがWebサイトに触れる場所」を指します。
そのため、UIは優れたUXを構成する一要素として扱われています。
ただし、どれだけUIが優れていても、最適なUXを提供できるとは限りません。
外見が美しいWebサイトでも、導線が不明確だったり、表示速度が遅いWebサイトだったりするとユーザーはストレスを感じます。
UIにこだわったうえで、ユーザーがスムーズに目的を達成できる構成にすることが、優れたUXデザインの条件です。
UXデザインの失敗例

UXデザインの失敗例は、以下のとおりです。
- 導線が不明確
- デザインの視認性が悪い
- 表示速度が遅い
それぞれの失敗例への理解を含め、自社のWebサイトの改善点を見つけましょう。
導線が不明確
導線が不明確なWebサイトでは、より良いUXを提供できません。
「購入画面がどこにあるかわからない」「項目が多すぎて見たいページがわからない」ようなWebサイトだと、ユーザーは目的を達成できません。
当然、使いにくいWebサイトからはユーザーが離脱してしまいます。
Webサイトをデザインする際は、ユーザー目線で導線を明確にすることが重要です。
デザインの視認性が悪い
デザインの視認性が悪いWebサイトは、ユーザーに情報が伝わらないうえに、不快感を与えるリスクがあります。
わかりにくいフォントを使用していたり、広告・ポップアップで見にくかったりすると、ユーザーはコンテンツを閲覧しにくくなります。
ユーザーが快適にWebサイトを利用するためにも、デザインの視認性には注意しましょう。
誰が見てもコンテンツがわかるように、見やすく、わかりやすいレイアウトを心がけることが重要です。
表示速度が遅い
Webサイトの表示速度が遅いことも、UXに悪影響を及ぼします。
表示速度が数秒遅いだけで、ユーザーの離脱率は上昇します。
特に画像や動画を多く掲載しているWebサイトや、ECサイトはコンテンツが重すぎて表示速度が遅くなりがちです。
表示速度を高速化するには、画像のサイズ変更や圧縮、WebPのような次世代フォーマットへの変更が有効です。
UXデザインの成功事例10選

本章では、優れたUXデザインを実現した企業の事例を紹介します。
紹介する事例は以下のとおりです。
- ユーザーの音楽体験に配慮したUXデザイン|Spotify
- ほしいレシピをスムーズにチェック可能|クックパッド
- 視聴者が理解しやすいようにショート動画を活用|DELISH KITCHEN
- 多彩な機能できめ細かなニーズに対応|ZOZOTOWN
- 優れた機能でユーザーを手厚くサポート|Airbnb
- UXデザインを強化して快適な視聴体験を実現|Netflix
- 日常使いできるアプリを目指して操作性を改善|千葉銀行
- 購入体験を最適化するUXデザインを導入|Amazon
- コミュニケーションを円滑にする機能が満載|LINE
- UXデザインのリニューアルに成功|JINS
自社のUXデザインを改善する際の参考にしてください。
ユーザーの音楽体験に配慮したUXデザイン|Spotify
世界最大の音楽プラットフォームであるSpotifyは、シンプルながらも、ユーザーの音楽体験を邪魔しないデザインを採用しています。
視認性や使いやすさを損なわないように、Webサイトやアプリケーションの画面のデザインは無駄を省き、必要な情報だけを提示するようにしています。
加えて、タブの数も必要なものだけに絞ることで、直感的な動作を可能としているのも特徴です。
また、Spotifyはきめ細かいローカライゼーションを実施しています。
国や地域によって表示されるプレイリストの楽曲や、カバー画像のデザイン・フォントなどを変えるなど、よりユーザーに寄り添ったUIを取り入れています。
参照:Spotify公式サイト
ほしいレシピをスムーズにチェック可能|クックパッド
クックパッドは、主婦向けに料理のレシピを紹介する料理サイトを提供している企業です。
同社のWebサイト・アプリケーションは、レシピをスムーズにチェックできる機能を搭載しています。
クックパッドは季節やトレンドなどに合わせて、作りたい料理とすぐマッチングできるようにしています。
加えて、「つくれぽ機能」によってユーザー同士で作った料理を共有できる機能が利用できるのも特徴です。
さらに、料理初心者でもチャレンジしやすいように、各レシピには画像や動画も豊富に掲載しています。
参照:クックパッド公式サイト
視聴者が理解しやすいようにショート動画を活用|DELISH KITCHEN
レシピや料理の解説動画を提供するDELISH KITCHENは、ユーザー目線でUXデザインを改善したことで有名です。
当初、DELISH KITCHENは30分程度の解説動画を作成していましたが、想定より視聴数が伸びませんでした。
そこで視聴者のニーズに合わせて1分程度のショート動画に切り替えたところ、視聴数が増加しました。
また、DELISH KITCHENはユーザーが理解しやすいように、動画時間以外にも工夫をこらしています。
例えば動画を真上から撮影することで、調理工程をよりわかりやすくしました。
さらに料理名だけでなく、材料でレシピを検索できるようにしたり、調理工程の詳細をチェックできるスクロール機能を実装したりしています。
多彩な機能できめ細かなニーズに対応|ZOZOTOWN
オンラインショッピングモールのZOZOTOWNは、ユーザーのきめ細かいニーズに多彩な機能で対応しています。
例えば、ZOZOTOWNはユーザーのサイズへのこだわりに対応できるよう、1アイテムあたり20〜50のマルチサイズを用意しました。
さらに、ユーザーは自身のサイズ感に合わせて各部位を微調整できるなど、自分に合った商品を購入できるようにしました。
加えて、支払い方法や配送方法も工夫しています。
クレジットカードがなくても支払いを後回しにできる「ツケ払い」や、ほしい服をすぐに手に入れられる「即日配送」など、ユーザーのニーズに応えるサービスを実施しています。
優れた機能でユーザーを手厚くサポート|Airbnb
Airbnbは、世界中の宿泊施設やアクティビティを検索できるプラットフォームです。
旅行を計画しているユーザーを、手厚くサポートする機能が搭載されているのが魅力です。
Airbnbでは、ユーザーがやり取りに不安を感じないように、宿泊施設のホストの詳細なデータを提示しています。
さらに登録している宿泊施設にプロのカメラマンを派遣し、美しく清潔感のある写真を撮影することで、ユーザーの印象に残りやすいようにしています。
加えて、ホストと旅行直前までやり取りできるようにチャット機能も搭載しているのも特徴です。
Airbnbのチャット機能はホストと直接コミュニケーションを取れるようにすることで、ユーザーは顔の見えない相手への不安を払拭できます。
参照:Airbnb公式サイト
UXデザインを強化して快適な視聴体験を実現|Netflix
Netflixは世界的に高い知名度を誇る動画配信サービスです。
UXデザインをユーザーに合わせて設計することにより、快適な視聴体験を実現しました。
Netflixのホーム画面はコンテンツにカーソルを合わせるだけで予告編やダイジェストを視聴できるようになっており、簡単に内容を確認できます。
さらに、人気のカテゴリーやジャンル別に検索できるので、視聴したい作品にすぐたどり着けます。
視聴画面では、字幕・再生速度・イントロスキップなど、ユーザーが快適に視聴できる機能が満載です。
詳細画面で作品の詳細を確認できるなど、ほしい情報をすぐにチェックできます。
参照:Netflix公式サイト
日常使いできるアプリケーションを目指して操作性を改善|千葉銀行
金融機関の千葉銀行は、自行のアプリケーションを工夫し、日常使いできるようにしました。
千葉銀行の「ちばぎんアプリ」は徹底的に操作性にこだわり、簡単な操作でほしい情報をすぐに確認できます。
入金がリアルタイムで確認できるうえに、住所や電話番号の変更も手軽にできます。
ちばぎんアプリは通帳のように簡単に扱えるだけでなく、難しい手続きもスマートフォン上で完結できるのが魅力です。
ユーザーの負担を配慮し、スムーズに操作できるUXデザインを実現しています。
参照:ちばぎんアプリ公式サイト
購入体験を最適化するUXデザインを導入|Amazon
世界最大級のECサイトであるAmazonのUXデザインは、多くの企業が参考にすべきものです。
Amazonはユーザーが買い物をしやすいように、検索機能を充実化するだけでなく、購入履歴から最適な商品をレコメンドしています。
さらに商品画面に説明だけでなく、レビュー・関連商品などを付加し、詳細まで把握できるようにしている点も特徴です。
Amazonのユーザーへの配慮は、その他の機能にも現れています。
気になる商品を「ほしいものリスト」に入れたり、購入予定の商品をカートに入れたままにできたりするなど、個々のユーザーのペースに合わせた買い物が可能です。
ユーザーに合わせたパーソナライズを徹底するからこそ、Amazonは多くの収益をあげています。
参照:Amazon公式サイト
コミュニケーションを円滑にする機能が満載|LINE
LINEは日本人の多くが利用しているコミュニケーションツールであり、画期的な機能を数多く導入したことで有名です。
LINEはチャットや通話・ビデオ通話機能に加え、イラストで感情を表現できるスタンプをいち早く導入しました。
それにより、テキストでは表現できない感情をコミュニケーションに取り入れられるようになりました。
また、LINEは多様な機能を備えています。
例えば、「LINE NEWS」はさまざまなニュースをLINE上でいち早くチェックできます。
さらに「LINEウォレット」はLINE Pay・LINE証券といった資産を確認できるだけでなく、クーポンの受け取りなどが可能です。
参照:LINE公式サイト
UXデザインのリニューアルに成功|JINS
大手メガネショップのJINSは、アプリケーションを改善し、より良いUXデザインを実現しました。
JINSのアプリケーションはデザインをダッシュボード型に変更することで、ユーザーが知りたい情報が一目でわかるようにしました。
さらに情報提供機能を強化し、ユーザーが能動的に探さなくても、簡単に情報が手に入るようになっています。
さらにJINSのアプリケーションは店舗と連動しており、購入時に利用できるクーポンに加え、AIを搭載することで買い物時の疑問を解消できる仕様にしました。
参照:JINS公式サイト
成功事例からわかる3つの共通点

上記で紹介した成功事例には、以下のような共通点があります。
- ユーザーの行動データを基にした設計
- 継続的な改善サイクルの実施
- パフォーマンス最適化への投資
それぞれの共通点を理解すれば、自社で取り組むべき施策が明確になります。
ユーザーの行動データを基にした設計
いずれの成功事例も、ユーザーの行動データを基にUXを設計している点が特徴です。
行動の傾向を調査することにより、ユーザーがWebサイトやアプリケーションを利用する目的や傾向を理解すれば、自然とニーズに合ったUXデザインを実現できます。
特に、以下の成功事例はユーザーの行動データを理解していることが窺えます。
- Spotify:ユーザーが住んでいる地域に合わせたローカライズを実施
- クックパッド:ユーザーのニーズに合わせて短い動画を作成
- ZOZOTOWN:個々のサイズに合わせた注文が可能
- Amazon:パーソナライズを徹底して理想的な買い物を実現
自社のユーザーの行動データを踏まえてUXをデザインすれば、より快適なWebサイトの開発が可能です。
継続的な改善サイクルの実施
成功事例で紹介した企業は、いずれも継続的な改善サイクルを実施しています。
リリース後もユーザーの動向や反響をチェックし、PDCAサイクルを回せば、より使いやすいWebサイトを実現できます。
昨今はIT技術の進歩により、さまざまな機能を実装できるようになりました。
また、市場のトレンドやユーザーのニーズも多様化しており、日々移り変わっています。
市場やユーザーの動向を見ながら、その都度リニューアルしたり、機能を追加したりすれば、より使いやすいWebサイトを実現できます。
パフォーマンス最適化への投資
パフォーマンスを最適化するための投資は、より良いUXを実現するうえで不可欠です。
UXデザインに優れたWebサイトを持つ企業は、いずれもさまざまな機能を実装するために多くのツールを活用しています。
ネットワーク配信を高速化するCDN・ユーザーの困り事を解決するAI・ブランドイメージを守るためのデザインなど、Webサイトの運営において実施すべき施策はさまざまです。
もちろん、ただ予算をかけることがパフォーマンスの改善に直結するわけではありません。
しかし、必要な機能やデザインに適切な投資を行えば、十分なリターンを得られる可能性が高まります。
UXデザイン改善のポイント

UXデザインを改善する際は、以下のようなポイントを意識しましょう。
- ユーザーのペルソナを見直す
- ユーザー目線で設計する
- 導線を明確化する
- 画像や動画を最適化する
ユーザーのペルソナを見直す
まずはWebサイトのユーザーのペルソナを見直しましょう。
UXはユーザー目線でデザインすることが重要です。
そのためにも、最初にユーザーのペルソナを洗い出し、傾向に合わせた最適化を実施する必要があります。
ユーザーのペルソナを見直す際は、アンケートや行動データの分析などを行い、個々の嗜好やニーズを把握しましょう。
そのうえでユーザーのペルソナを具体化すれば、必要な機能やデザインが自然と見えてきます。
ユーザー目線で設計する
ユーザー目線での設計は、優れたUXデザインを実現するうえで不可欠です。
「なぜこの機能を使うのか」「何がしたいのか」など、実際にWebサイトを使うユーザーの目線に立てば、デザインの方向性が定まります。
また、実際にユーザーの立場になってWebサイトを閲覧してみるのも効果的な方法です。
ユーザー目線でWebサイトを利用することで、解決すべき課題が明確になります。
導線を明確化する
Webサイトの導線は必ず明確化しましょう。
「製品やサービスを購入してほしい」「資料をダウンロードしてほしい」など、Webサイトの目的を見据え、導線を設計することで、コンバージョン率の向上につながります。
なお、導線は必ず明確化する必要があります。
購入画面やダウンロードのボタンなど、コンバージョンにつながる要素が不明瞭だと、ユーザーはストレスを覚えるものです。
コンバージョン率を向上させるためにも、ユーザーの行動をスムーズに誘導できるようなUXデザインを実現しましょう。
画像や動画を最適化する
Webサイトの表示速度を実現するうえで、画像や動画の最適化は不可欠です。
画像や動画の容量が重いと、表示速度が低下し、Webサイトの利便性を低下させます。
画像や動画を最適化する際は、トリミングや圧縮による適切なサイズ設定に加え、マルチデバイスを意識してレスポンシブ対応を実施しましょう。
さらにWebPやAVIFのような次世代のフォーマットを利用すれば、表示速度を改善できます。
ただし、コンテンツが多いWebサイトほど、画像や動画の最適化は重労働になりがちです。
品質とファイルサイズのバランス調整には専門知識が必要です。
エンジニアがコーディングに集中できず、マーケターがコンテンツ制作に時間を割けない状況は、生産性の低下につながります。
こうした課題を解決するには、自動化ツールの活用が不可欠です。リアルタイムでの画像最適化、CDNとの連携による高速配信、APIによる簡単な統合など、自動化ツールを導入すれば開発工数を大幅に削減できます。
ImgixをUXデザインの改善に役立てよう

UXデザインを改善するために、画像や動画を最適化するなら、Imgixをご検討ください。
ImgixはCDNとしても利用できる画像最適化ツールです。
Imgixなら、画像や動画をパラメータ変更するだけで、リサイズ・圧縮・フォーマットなどを変更できます。
さらにAIを搭載しているため、画像や動画の修正の自動化が可能です。
Imgixはテレビ東京や一休.comなど、多くの企業で導入されているなど、実績も豊富です。
リーズナブルに利用できるプランもあるので、ぜひご検討ください。

まとめ:事例から学んで最適なUXデザインを実現しよう

Webサイトにおいて、UXデザインはユーザーの快適な体験を左右する重要な要素です。
UXデザインに失敗すると、離脱率が高まるだけでなく、コンバージョン率が低下する恐れがあります。
自社のWebサイトを改善する際は、UXデザインに優れた企業の事例を参照しましょう。
改善のヒントが見つかるはずです。
また、Imgixのような優れたツールを導入すれば、より良いUXを実現できます。
ぜひチェックしてみてください。












