Webサイトを運営するうえで、画像サイズや解像度を最適化することは重要です。
画像サイズや解像度は、画像を見やすくするだけでなく、UXや表示速度にも影響する要素です。
しかし、画像サイズや解像度を最適化する方法がよくわからないと感じる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、Webサイトにおける画像サイズ・解像度の重要性や、最適な設定方法などについて解説します。
Webサイトにおける画像サイズと解像度の重要性

Webサイトにおいて、画像の品質は訪問者の第一印象を大きく左右します。
しかし、美しい画像を使用するだけでは不十分です。
画像サイズや解像度が適切でない場合、ページの表示速度が低下し、ユーザーの離脱を招く可能性があります。
サイトの表示速度は、UX(ユーザー体験)のみならず、Googleの検索順位に影響を与えるSEOにも直結します。
表示速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じ、サイトから離れてしまう可能性が高まります。
また、GoogleはSEO評価の指標としてCore Web Vitalsを設けており、特にLCP(Largest Contentful Paint)は2.5秒以内が良好とされ、表示速度をランキング要因の一つとして考慮している点にも注意が必要です。
そのため、表示速度が遅いサイトは検索順位が下がる傾向にあります。
加えて、昨今は検索エンジンで画像検索が標準装備されるようになりました。
サイズ・解像度が不適切な画像は、検索しても適切な結果が表示されにくいです。
そのため、画像検索からの流入を減らすことになります。
したがって、Webサイト運営においては、画像の最適化が不可欠な作業です。
画像のサイズを適切に調整し、解像度をWeb表示に適したものにすることで、表示速度を改善し、ユーザー体験の向上とSEO対策の両立を図ることが重要です。
Web画像のサイズと解像度を決める3つの重要指標

画像設定を理解するうえで、押さえておきたいのが以下の重要な指標です。
- ピクセルサイズ (px)
- 解像度 (dpi/ppi)
- ファイルサイズ (KB/MB)
上記の要素は互いに関連していますが、特にWebサイトにおいてはそれぞれの役割が異なります。
それぞれの意味を正しく理解することが、最適化への第一歩です。
ピクセルサイズ (px)
ピクセル(px)とは、デジタル画像を構成する最小単位の「点」のことです。
ピクセルサイズは、その画像が縦横それぞれ何個のピクセルで構成されているかを示す数値で、「画素数」とも呼ばれます。
例えば、「幅1200px × 高さ800px」の画像は、横に1200個・縦に800個の点が並んでいることを意味します。
Webサイト上で表示される画像の物理的な大きさは、このピクセルサイズによって決まります。
ピクセルサイズが大きいほど、画像は大きく、きめ細やかに表示されますが、その分データ量も大きくなります。
解像度 (dpi/ppi)
解像度は、dpi(dots per inch)または ppi(pixels per inch)といった単位で表される指標です。
これは密度を示す指標であり、「1インチあたりにどれだけの点(ピクセル)が密集しているか」を意味します。
解像度の数値は、主にパンフレットやポスターといった印刷物の品質を決定する際に重要です。
一般的に、印刷では350dpiなど高い数値が求められますが、Webサイトでは事情が異なります。
現代のWebブラウザは、dpiの数値をほとんど参照せず、画像のピクセルサイズをそのまま画面のピクセルに表示します。
そのため、Web用の画像であれば、解像度の数値を気にする必要はほとんどなく、72dpiに設定しておけば問題ありません。
ファイルサイズ (KB/MB)
ファイルサイズは、画像データそのものをキロバイト(KB)やメガバイト(MB)で表したものです。
ファイルサイズの数値が、Webサイトの表示速度に直接影響を与えるもっとも重要な要素です。
ファイルサイズが大きすぎると、ページの読み込みに時間がかかり、ユーザーは待てずにサイトから離脱してしまいます。
また、ユーザー体験(UX)の低下だけでなく、Googleのサイト評価を下げる原因にもなり、SEOの観点からも非常に不利です。
画質を保ちつつ、ファイルサイズをいかに軽くするか、このバランスを取ることが画像最適化のゴールです。
用途別・デバイス別の最適な画像設定

本章では、Webサイトのさまざまな場所で使われる画像について、具体的な推奨設定をみていきましょう。
解説するのは以下のケースの画像設定です。
- マルチデバイス対応
- メインビジュアル・ヒーロー画像
- ブログ記事のアイキャッチ・記事内画像
それぞれの最適な設定を理解すれば、より快適なWebサイトを実現できます。
マルチデバイス対応
マルチデバイスに対応したWebサイトの場合、画像が常に最適に表示されるように、「表示領域の幅」を基準に画像サイズを決定することが重要です。
例えば、Webサイトの記事本文エリアの最大横幅が800pxであれば、記事に挿入する画像の幅も800pxあれば基本的に十分です。
ただし、高解像度ディスプレイへの対応を考慮するなら、その1.5倍から2倍程度の幅(例えば1200pxから1600px)で画像を用意すると、より鮮明に表示できます。
この原則を守ることで、無駄なデータ量を削減し、Webサイトの表示速度を向上させることにもつながります。
メインビジュアル・ヒーロー画像
Webサイトのトップページを飾るメインビジュアル(ヒーロー画像)は、訪問者が最初に目にする、いわばサイトの顔です。
そのため、質の高い画像を選び、効果的に配置することが重要です。
第一印象がその後のWebサイトの回遊率やコンバージョン率に大きく影響を与えるため、慎重に検討しましょう。
画像サイズに関しては、一般的なパソコンのモニターの画面サイズ(フルHD)を考慮し、横幅は 1920px程度を目安に作成するのがおすすめです。
これより小さいと、環境によっては画像がぼやけて表示されてしまう可能性があります。
ただし、メインビジュアルはサイト内でもっとも大きな画像になることが多いため、ファイルサイズには細心の注意が必要です。
表示速度が遅くなると、UXを損ない、Webサイトからの離脱を招く可能性があります。
画質を保ちつつ、200KB 以内に抑えることを目標に、画像の圧縮や形式の最適化を行いましょう。
WebP形式への変換も有効な手段です。
ブログ記事のアイキャッチ・記事内画像
ブログ記事におけるアイキャッチ画像や記事内画像は、読者のコンテンツ理解を深めるうえで不可欠です。
それぞれの画像は以下のサイズが推奨されています。
| 画像の種類 | 画像サイズ |
| アイキャッチ画像 | 1,200px×630px |
| 記事内画像 | 800px~1,000px |
なお、WordPressを利用している場合、アイキャッチ画像の推奨サイズがテーマによって異なることがあります。
その際は、推奨されている数値に合わせましょう。
特に、高解像度モニター(Retinaディスプレイなど)への対応は重要です。
画像がぼやけて見えると、ユーザーエクスペリエンスを損ない、記事の質を低下させてしまいます。
高解像度モニターに対応するためには、実際に表示されるサイズの1.5倍から2倍のピクセルサイズの画像を用意することを推奨します。
例えば、記事エリアの幅が800pxの場合、1200px〜1600px程度の幅の画像を用意するのが理想的です。
これにより、さまざまなデバイスで画像を鮮明に表示でき、ユーザーに快適な閲覧体験を提供できます。
画像サイズの選定には注意を払い、記事の魅力を最大限に引き出しましょう。
ファイルサイズ・解像度の設定方法

画像のファイルサイズや解像度を最適化することは、サイトの表示速度を改善し、SEOにも良い影響を与えます。
本章では、誰でも簡単にできる画像最適化の具体的な3つのステップを見ていきましょう。
- 画像に合ったファイル形式を選ぶ
- Photoshopやプレビューでピクセルサイズを変更する
- ツールで画像を圧縮する
本章で紹介する設定方法は、いずれも簡単に実践できるものです。
Webサイトを改善する際の参考にしてください。
画像に合ったファイル形式を選ぶ
まずは、画像の特性に合ったファイル形式を選ぶことが重要です。
それぞれの特徴を理解し、適切に使い分けましょう。
ファイル形式別の特徴は以下のとおりです。
| 形式 | 特徴 | 最適な用途 |
| JPEG (.jpg) | フルカラー(約1677万色)に対応。高い圧縮率が魅力。透過は不可。 | 写真・グラデーションの多い画像 |
| PNG (.png) | 透過に対応。画質の劣化が少ない可逆圧縮。JPEGよりファイルサイズは大きめ。 | ロゴ・アイコン・背景を透明にしたい画像 |
| WebP (.webp) | Googleが開発した次世代形式。JPEGやPNGより高画質・高圧縮。主要ブラウザが対応。 | 写真・ロゴ・イラストなど、あらゆる画像 |
| AVIF (.avif) | WebPよりさらに圧縮率が高い最新形式。今後の主流になる可能性。 | 高画質を求められる画像 |
現代のWebサイトでは、迷ったら WebP を選ぶのがおすすめです。
また、AVIFもファイルサイズを軽量化できるファイル形式として注目を集めています。
Photoshopやプレビューでピクセルサイズを変更する
デジタルカメラで撮影した写真などは、Webで使うにはピクセルサイズが大きすぎることがほとんどです。
Photoshopのような画像編集ソフトを使って、前述の推奨サイズに合わせてリサイズ(画像のサイズ変更)しましょう。
ツールごとの編集方法は以下のとおりです。
| ツール | 操作 |
| Photoshop | 「イメージ」メニューから「画像解像度」を選び、幅や高さをピクセル単位で指定します。 |
| Macのプレビュー | 「ツール」メニューから「サイズを調整」を選び、ピクセル単位で変更できます。 |
| Windowsのペイント | 「サイズ変更」機能でピクセル単位の指定が可能です。 |
この一手間で、ファイルサイズを大幅に削減できます。
いずれのツールも無料で利用できるものや、安価なものが多く、簡単に導入できます。
特に、MacのプレビューやWindowsのペイントは、無料の標準機能であるため、積極的に活用しましょう。
ツールで画像を圧縮する
リサイズが完了したら、最後の仕上げに圧縮を行い、さらにファイルサイズを軽くしましょう。
圧縮とは、画質への影響を最小限に抑えながら、データ量を削減する処理のことです。
画像ファイルのサイズはWebサイトの表示速度やストレージ容量に大きく影響します。
そのため、圧縮は非常に重要な工程です。
特に、Webサイトに画像をアップロードする場合、ファイルサイズが大きいとページの読み込みに時間がかかり、ユーザーの離脱を招く可能性があります。
そのため、適切な圧縮を行い、ファイルサイズを最適化することが求められます。
最近は、専門知識がなくても、ブラウザ上で簡単に使える無料のオンラインツールがたくさんあるので、積極的に利用しましょう。
なお、圧縮ツールを選ぶ際には、画質の劣化具合や圧縮率などを比較検討し、最適なツールを選択することが重要です。
また、一部のツールでは、圧縮レベルを調整できる機能も備わっているので、用途に合わせて調整しましょう。
Imgixなら画像サイズ・解像度の設定を自動化できる

Imgixのような画像配信CDNサービスを利用すれば、手間がかかりやすい画像サイズ・解像度の設定を自動化できます。
Imgixは、元の画像をアップロードし、URLに簡単なパラメータ(指示)を付けるだけで、リアルタイムに最適な画像を生成・配信できます。
例えば、閲覧しているデバイスに合わせたリサイズや、より軽量なWebP形式への変換の自動化が可能です。
Imgixは日経電子版・一休.com・テレビ東京といった大手企業も導入しており、画像の読み込み時間を大幅に短縮し、開発者の工数を削減するなど、大きな成果を上げています。
手作業での最適化に限界を感じている場合や、大量の画像を扱うサイトでは、非常に強力なソリューションです。
まとめ 画像サイズ・解像度を最適化して快適なWebサイトを実現

画像サイズ・解像度は表示速度を左右する要素であり、UX・SEO評価・画像検索からの流入などに影響を与えます。
画像の最適化ができていない状態だと、ユーザーの離脱率が上がり、コンバージョン率が低下する事態を招きます。
そのため、Webサイトの運営において、画像サイズ・解像度の最適化は重要な作業です。
最適化はピクセルサイズやファイルサイズなどの調整を行いますが、すべてを手作業で実施すると手間がかかります。
画像の最適化を効率的に実施するなら、Imgixのような自動化ができる画像CDNを利用しましょう。
Imgixなら、簡単な作業をするだけで画像を最適化できるため、Webサイトの表示速度だけでなく、作業の効率性も改善できます。












