【2025年版】Web画像形式の選び方完全ガイド！徹底比較してサイトを高速化しよう

Webサイトの運営をしていると、美しいデザインや魅力的なコンテンツに注力する一方で、「Webサイトに使う画像の形式がわからない」「画像のせいでサイトの表示が遅い」といった悩みに直面することがあります。

例えば、画質を優先するとファイルサイズが大きくなり、表示速度が遅くなってしまう、といった問題です。

適切な画像形式を選ぶことはWebサイトの見た目を良くするだけでなく、表示速度を改善し、SEOの評価を高める上で非常に重要です。 画像形式の選択はユーザーエクスペリエンスに大きく影響するため、軽視できません。

そこで本記事では、Webサイトで使われる主要な画像形式の種類と特徴を、専門知識がない方にもわかりやすく徹底比較します。

この記事を読めばWebサイトに最適な画像形式がわかり、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても魅力的なWebサイト構築の第一歩を踏み出せます。

Web画像の2つのデータ形式と圧縮方法

Webサイトで使われる画像形式を理解するために、まずは基本となる2つのデータ形式と、ファイルサイズを小さくする圧縮の方法について知っておきましょう。基礎の理解を深めることで、画像形式の選択がよりスムーズにできます。

ピクセルの集まり「ビットマップ（ラスター）画像」

ビットマップ画像（またはラスター画像）は、色のついた点（ピクセル）が集まってできている画像形式です。私たちが普段目にするデジタル写真や、複雑な色合いのイラストなどがビットマップ画像に該当します。

ビットマップ画像はピクセルで構成されているため、画像を拡大すると点の集まりであることがわかり、輪郭がギザギザに見えるジャギーという現象が起こります。ジャギーは、特に低解像度の画像で顕著に現れる点に注意が必要です。

ビットマップ画像は、写真のように色や明るさの変化が滑らかな表現に適していますが、図形や文字などのくっきりとした表現には向いていません。

また、画像のサイズを変更すると画質が劣化しやすいというデメリットもあります。そのため、用途に応じてベクター画像など、別の画像形式との使い分けが重要です。

計算で描かれる「ベクター画像」

ベクター画像とは点や線、曲線といった図形の情報を数値データとして記録し、計算したうえで表示する画像形式です。どれほど拡大・縮小してもその都度再計算して描画するため、画質がまったく劣化しない点が大きな魅力です。

そのため、印刷物やWebサイトなど、さまざまな用途で利用されています。特に、拡大縮小を頻繁に行う可能性があるロゴやアイコン制作においては、ベクター画像が最適な選択肢です。

他にも地図など、くっきりとした線で描かれる単純な図形に向いています。ファイルサイズも比較的軽く、編集も容易であるため、デザインの現場で広く活用されています。

画質とファイルサイズを左右する「圧縮形式」の違い

画像のファイルサイズを小さくする際は、圧縮という処理が行われます。圧縮には大きく分けて可逆圧縮と非可逆圧縮の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。具体的には、以下の表のとおりです。

Webサイトの画像を圧縮する際は、上記の特徴を理解したうえで最適な形式を選ぶことが大切です。例えば、ロゴやアイコンといった画質を重視する場合は可逆圧縮、写真などファイルサイズを重視する場合は非可逆圧縮を選ぶと良いでしょう。

【一覧比較表】主要Web画像形式7種の特徴・メリット・デメリット

Webサイトでよく使われる主要な画像形式の特徴を一覧表にまとめました。それぞれの形式に得意なこと、不得意なことがあります。まずはこの表で、全体像をつかんでみましょう。

上記の表を見ると写真ならJPEG、背景を透明にしたいならPNG、アニメーションならGIFというのが基本的な使い方であるとわかるでしょう。

近年ではWebPやAVIFといった新しい形式も登場し、より高画質・高圧縮が実現できるようになりました。従来の形式よりもファイルサイズを小さく抑えつつ、同等以上の画質を保つことができるため、Webサイトの表示速度向上に貢献します。

ただし、ブラウザの対応状況には注意が必要です。必要に応じて従来の形式と併用するなど、最適な選択を検討しましょう。また、画像の用途だけでなく、ファイルサイズや画質、ブラウザの互換性なども考慮して、最適な画像形式を選択することが重要です。

Webサイトで使われる主要画像形式を徹底解説

一覧表で概要をつかんだところで、それぞれの画像形式についてもう少し詳しく見ていきましょう。どのような技術的な特徴があるのかを知ることで、より適切な使い分けができます。

JPEG（.jpg / .jpeg）：写真に最適な非可逆圧縮の王道

JPEG形式は、写真などのフルカラー画像を効率的に保存するのに適しています。非可逆圧縮によってファイルサイズを小さくできる一方、保存を繰り返すと画質が劣化する点に注意が必要です。

特に、編集作業を行う場合は、TIFFやPNGなどの別の形式で元データを保存しておくことが重要です。JPEGはWebサイトやメールでの共有に適していますが、アーカイブ用途には不向きといえます。画質劣化を最小限に抑えるためには、圧縮率を調整することも可能です。

PNG（.png）：透過が得意な可逆圧縮の優等生

PNGは、画質を一切損なわない可逆圧縮が特徴の画像形式です。 最大の特徴はアルファチャンネルによる透過処理で、背景を透明もしくは半透明にできます。 そのため、Webサイトのロゴやアイコン、イラストなど、背景をきれいに切り抜いて表示したい場合に最適です。 

さらに、PNGは色数の制限が少ないため、フルカラーの画像も美しく表現できます。GIFと比較してアニメーションには不向きですが、一枚絵としての表現力は非常に高く、Webデザインや印刷物など幅広い用途で利用されています。

異なるOSやブラウザ間での互換性も高く、安心して利用できる画像形式といえるでしょう。

GIF（.gif）：アニメーションで表現を豊かに

GIFアニメーションは、WebサイトやSNSで手軽にアニメーションを表現できる便利な形式です。パラパラ漫画の原理で複数の画像を連続表示し、動きを演出します。

リアクション画像などにも最適ですが、256色の制限があるため、写真のような高画質画像には不向きです。色数の少ないイラストやアイコン、シンプルなアニメーションに適しています。

また、ファイルサイズが大きくなりがちな点も考慮し、使用場面に応じて適切な形式を選択することが重要です。動画形式よりファイルサイズを抑えたい場合や、ループ再生させたい場合に有効な選択肢です。

SVG（.svg）：拡大・縮小に強いベクター形式の革命児

SVGはベクター形式であり、解像度に依存しないため、拡大・縮小しても画質が劣化しません。また、アニメーションやインタラクションを組み込むことも容易です。例えば、SVGで作られた地図の一部をクリックすると、詳細な情報が表示されるといった表現も可能です。

Webサイトのレスポンシブデザインにおいては、SVGのメリットが最大限に活かされます。さらに、テキストエディタで直接編集できるため、デザインツールがなくても修正が可能です。

WebP（.webp）：Googleが開発した次世代オールラウンダー

WebPは、GoogleがWebサイトの高速化を目的として開発した次世代画像形式です。JPEGのような高い圧縮率と、PNGのような透過機能、GIFのようなアニメーション機能をすべてサポートしています。

同じ画質のJPEGと比較してファイルサイズを約25%〜34%削減できるうえ、ほとんどの主要ブラウザでサポートされているため、Web画像の新しい標準となりつつあります。

WebPの登場により、Webページの読み込み速度が向上し、ユーザーエクスペリエンスの改善に大きく貢献しています。また、可逆圧縮と非可逆圧縮の両方をサポートしており、画像の用途に応じて最適な圧縮方法を選択できるのも魅力です。

Webサイト運営者は、WebPへの移行を検討することで、より効率的な画像配信を実現できるでしょう。

AVIF（.avif）：最高レベルの圧縮率を誇る未来の標準

AVIFは、WebPよりもさらに新しい、現行で最高レベルの圧縮効率を誇る画像形式です。WebPをさらに上回る圧縮率を実現し、HDR（ハイダイナミックレンジ）といった高画質な表現にも対応しています。

未来の標準となる可能性を秘めていますが、WebPに比べてエンコード（変換）に時間がかかる点や、対応ブラウザがまだ限定的であるという課題もあります。

次世代画像形式で実現するサイト高速化とSEO効果

WebPやAVIFといった次世代画像形式の導入は、単にファイルサイズを小さくするための手段ではありません。Webサイトの表示速度を劇的に改善し、結果としてSEO評価を高めるための非常に効果的な戦略の一つです。

表示速度がランキングを左右する｜Core Web Vitalsと画像の関係

Googleは、ユーザー体験の質を測る指標としてCore Web Vitals（コア ウェブ バイタル）を検索順位の決定要因に組み込んでいます。

具体的には読み込み速度（Largest Contentful Paint）、インタラクティブ性（First Input Delay）、視覚的な安定性（Cumulative Layout Shift）の3つから構成されており、これらを改善することで、ユーザーにとってより快適なWebサイト体験を提供できます。

その中でも特に重要なのが、ページの主要コンテンツが表示されるまでの速度を測るLCP（Largest Contentful Paint）です。

多くの場合、主要コンテンツとは、ページ内でもっとも大きな画像（ヒーロー画像など）を指します。つまり、次世代画像形式を使って主要コンテンツのファイルサイズを削減することは、LCPスコアを直接改善し、Googleからの評価を高めることにつながります。

実践｜WebP・AVIFを安全に導入する2つの方法

WebPやAVIFを実装する方法は、主に以下の2パターンがあります。

なお、次世代画像形式を導入する際、古いブラウザでは表示されない可能性があるため、フォールバックという対策が重要です。フォールバックとは、次世代形式に対応していないブラウザ向けに、JPEGやPNGなどの一般的な形式の画像を代替として用意する対策のことです。

ここでは、安全に導入するための代表的な2つの方法を紹介します。

HTMLの<picture>タグを使用する方法
ブラウザが対応している形式から順番に読み込むHTMLタグです。AVIFに対応していればAVIFを、対応していなければWebPを、どちらも対応していなければJPEGを表示する、といった指定が可能です。

<picture>

  <source srcset=”image.avif” type=”image/avif”>

  <source srcset=”image.webp” type=”image/webp”>

  <img src=”image.jpg” alt=”代替テキスト”>

</picture>

WordPressプラグインを使用する方法
WordPressをお使いの場合、「Converter for Media」や「WebP Express」といったプラグインを導入することで、既存の画像を自動的にWebP形式などに変換し、対応ブラウザにのみ配信してくれます。専門的な知識がなくても手軽に導入できるのが魅力です。

【シーン別】最適なWeb画像形式の使い分け実践ガイド

それぞれの画像形式の特徴がわかったところで、画像形式の使い分けについて解説します。画像形式の選び方を3つのシーン別にまとめました。この基準に従えば、最適な画像形式を迷わず選択できます。

以下の実践ガイドを参考に、Webサイトの画像形式を見直してみましょう。

写真や複雑なグラデーションを掲載したい場合

• 最優先：WebP
• 次点：JPEG

色数が多く、繊細な階調表現が求められる写真には、圧縮率と画質のバランスに優れたWebPが最適です。ファイルサイズを小さく保ちながら、より高品質な画像を提供できる点が魅力です。

ただし、全てのブラウザで完全にサポートされているわけではないため、必要に応じてJPEGとの併用も検討しましょう。

画像の特性や用途、ターゲットとするユーザー層を考慮して、最適なフォーマットを選択することが重要です。古いブラウザへの対応も考慮するなら、依然としてJPEGも強力な選択肢となります。

ロゴやイラストなど、背景を透過させたい場合

• 最優先：SVG（単純な図形の場合）
• 次点：WebP または PNG

ロゴやアイコンのように、拡大しても美しさを保ちたい場合はSVGが適しています。ベクター形式なので、拡大縮小による画質の劣化がありません。Webサイトだけでなく、印刷物にも使用できる汎用性の高さも魅力です。

写真や複雑なイラストの背景を透過させたい場合は、ファイルサイズと画質を両立できるWebP、または画質を最優先するならPNGを選びましょう。WebPは比較的新しい形式ですが、主要ブラウザでサポートされており、アニメーションにも対応できます。

簡単なアニメーションを加えたい場合

• 最優先：WebP
• 次点：GIF

フルカラーで滑らかなアニメーションを軽いファイルサイズで実現したいならWebPが最適です。色数が少なく、単純な動きで十分な場合は、互換性の高いGIFも利用できます。

WebPは主要なブラウザでサポートされており、透過性も扱えるため、汎用性が高いのが特徴です。GIFはアニメーション以外にも、透過画像として利用されることもあります。

どちらを選ぶかは必要な画質やファイルサイズ、互換性を考慮して決定すると良いでしょう。より高度なアニメーション表現には、動画形式も検討する価値があります。

【独自情報】画像最適化を次のレベルへ導く「Imgix」という選択肢

ここまで手動での最適化やプラグインの活用について解説してきましたが、さらに高度で効率的な画像管理・配信を行いたい企業には「Imgix」のような画像CDNサービスの利用がおすすめです。

Imgixは、画像最適化のプロセスそのものを自動化し、ビジネス成果を最大化するための強力なソリューションです。ここからは、Imgixをおすすめする理由を紹介します。

リアルタイム画像処理とAIによる自動最適化の威力

Imgixは、URLにパラメータを指定するだけでリアルタイムにリサイズやトリミング、フォーマット変換を行えるサービスです。AIが画像を解析し、画質を維持あるいは向上させながらファイルサイズを最小化します。

WebPやAVIFへの自動変換にも対応しており、閲覧しているユーザーのブラウザ環境に合わせて、常に最適な画像を自動で配信します。元となる画像を1つアップロードしておくだけで画像の最適化が行われるため、Webサイト担当者の負担や手間は大幅に削減することが可能です。

さらに、ImgixはCDN （コンテンツデリバリネットワーク） と連携し、世界中のユーザーへ高速配信を実現します。これにより、Webサイトの表示速度を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを最適化することも可能です。

国内有名企業での改善事例と具体的な数値効果

Imgixの導入効果は、数々の有名企業で証明されています。

上記の実績は、Imgixがサイトパフォーマンスとユーザー体験を劇的に改善し、ビジネスの成長に直接貢献することを示しています。単に表示速度が向上するだけでなく、ユーザーエンゲージメントの向上、コンバージョン率の改善にもつながっています。

例えば、画像読み込み時間の短縮は、モバイルユーザーにとってストレス軽減につながり、サイトの離脱率を下げる効果が期待できるでしょう。

また、PageSpeedスコアの向上はSEO対策としても有効であり、検索順位の上昇に貢献します。Connehitoのようにダウンロード量を大幅に削減できれば、サーバー負荷の軽減や通信コストの削減にもつながり、長期的な運用コストの最適化を実現できます。

Web画像形式に関するよくある質問（Q&A）

最後に、Web画像形式に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。画像を最適化する際の参考にしてください。

Q. 結局、どの画像形式を使えばいいのか

A. 以下の基準で選ぶのがおすすめです。

上記を参考に、最適なフォーマットを選んでみてください。用途に合わせて使い分けることで、より効果的なWebサイト運用が実現します。

Q. 画像形式を変換するにはどうすればいいか

A. いくつかの簡単な方法があります。

Googleが提供する「Squoosh」などのWebサイトに画像をドラッグ＆ドロップするだけで、簡単に変換・圧縮ができます。

画像編集ソフトであるAdobe Photoshopなどの専門ソフトを使えば、より細かな設定で書き出すことが可能です。自身のやりやすい方法を選択すると良いでしょう。

上記の画像変換が難しいと感じる場合は、Imgixのような自動で変換を行うサービスを導入すると手間や負担を軽減できます。

Q. 画像の遅延読み込み（Lazy Loading）は併用すべきか

A.画像の遅延読み込みは、初期表示に必要な画像のみを読み込み、スクロールに応じて残りの画像を読み込む技術です。画像最適化と組み合わせると、ページの初期表示速度を大幅に向上させることができます。

特に画像が多いページでは、ユーザーエクスペリエンス改善に大きく貢献するため、積極的に併用を検討すべきでしょう。

Q. レティナディスプレイ対応はどの形式がいいのか

A.画像形式としては、ベクター形式（SVGなど）が最適です。拡大縮小に強く、画質が劣化しません。ビットマップ形式（PNGなど）を使う場合は、2倍または3倍の解像度で画像を用意し、CSSで縮小表示させることで対応できます。

ただし、ファイルサイズが大きくなる点に注意が必要です。用途や画像の複雑さによって使い分けましょう。

Q. 古いブラウザ（IE11など）のユーザーはどう対応すべきか

A.古いブラウザ（IE11など）のユーザーへの対応は、次世代形式への移行における現実的な課題です。

完全にサポートを打ち切る場合、ユーザー離れのリスクがあります。対策としては、ポリフィルやトランスパイラを使用し、古いブラウザでも動作するようにコードを変換する方法があります。

また、古いブラウザ向けの代替コンテンツを提供する、もしくは、ブラウザのアップデートを促すメッセージを表示することも有効です。ただし、ポリフィルなどはパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、慎重な検討が必要です。

Webサイトに最適な画像形式を選んでユーザーと検索エンジンからの評価を高めよう

この記事では、Webサイトで使われる主要な画像形式について特徴から実践的な使い分け、そしてSEOへの影響までを解説しました。

適切な画像形式の選択は、ページ表示速度の改善、SEO順位の向上、そして最終的な売上増加に直結します。特に、次世代形式（WebP・AVIF）への移行と、Imgixのような自動最適化ツールの導入により、工数削減と成果向上を同時に実現できます。

適切な画像形式を選ぶことは、もはや単なる技術的な選択ではありません。訪れてくれるユーザーへのおもてなしであり、検索エンジンに対する誠実さの表明です。ぜひ、本記事を参考に自社のWebサイトの画像戦略を見直し、より速く、より魅力的なサイトへと進化させてください。