Webサイトの画像読み込みが遅い!原因と今すぐできる8つの高速化テクニック

「自社サイトの表示が遅い気がする」
「PageSpeed Insightsでスコアが低いのは、画像のせいかもしれない」
「専門の開発者に頼む予算はないから、自社内でなんとかしたい」

このようなお悩みをお持ちのWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。

実は、Webサイトの表示速度が遅くなる原因の多くは、画像の読み込みにあります。ページの読み込み速度がわずかに遅れるだけで、ユーザーの離脱率が上昇し、購入や問い合わせといったコンバージョンに大きな悪影響を及ぼすことが知られています。

つまり、画像の最適化を行うとWebサイトのパフォーマンス改善に貢献するうえ、売上などの成果にも直結しやすくなるでしょう。そこで本記事では、Webサイトの画像読み込みを高速化するための具体的なテクニックを、基本から応用まで徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、サイトの表示速度を改善し、ユーザーにとって快適なWebサイトを実現するための知識と具体的な手段が身についているはずです。

Webサイトの高速化はユーザーの離脱を防ぎながらSEO評価を高め、最終的には問い合わせや売上の向上にもつながる重要なポイントです。

本記事を参考に、満足度の高いWebサイトを構築しましょう。

目次

Webサイトの画像読み込み速度が重要な理由

具体的なテクニックに入る前に、画像の読み込み速度を改善することがなぜビジネスにおいて重要なのかを知っておきましょう。表示速度の改善は、単にサイトが快適になるだけでなく、企業の成果に直接的な影響を与えます。

成果につながる機会を最大化できる

Webサイトの表示速度は、ユーザーの行動に大きな影響を与えます。Googleの調査によると、ページの読み込みに3秒以上かかると、訪問者の半数以上が離脱してしまうというデータがあります。

さらに、Webサイトの読み込みがわずか1秒遅れるだけで、コンバージョン率(購入や問い合わせに至る割合)が最大で13%も低下する可能性があるともいわれています。

つまり、サイト表示の遅さは、気づかないうちに大切なビジネスチャンスを逃していることと同義です。企業の売上アップや成長のためにも、Webサイトの読み込み速度には配慮していきましょう。

SEO評価を高められる

Googleは、ユーザーにとって使いやすいWebサイトを検索結果の上位に表示する傾向があります。使いやすさを測る指標の一つが「Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル)」です。

Core Web Vitalsには、主要なコンテンツが表示されるまでの時間を示す「LCP」や、ページのレイアウト崩れの度合いを示す「CLS」といった項目が含まれます。

最適化されていない重い画像は、これらのスコアに直接的な悪影響を及ぼし、結果としてSEO評価の低下につながる可能性があります。

指標概要画像が与える影響
LCP (Largest Contentful Paint)ページ内でもっとも大きなコンテンツが表示されるまでの時間サイズの大きい画像は読み込みに時間がかかり、LCPを悪化させる主要因となる
INP (Interaction to Next Paint)ユーザー操作への応答性画像の読み込み処理が重いと、ブラウザの他の処理を妨げ、クリックなどの反応が遅れる原因になる
CLS (Cumulative Layout Shift)ページの視覚的な安定性(レイアウトのずれ)画像のサイズが指定されていないと、読み込み完了後にレイアウトが大きくずれ、CLSを悪化させる

画像の読み込み速度を改善することは、ユーザー体験を向上させるだけでなく、Googleからの評価を高めるための重要なSEO対策といえるでしょう。

Webサイトの画像読み込みが遅い根本原因

画像の読み込みが遅い理由には、いくつかの原因が挙げられます。具体的な対策を行う前に、まずは自社のWebサイトがどのケースに当てはまるかを確認してみましょう。

ケース1:画像サイズが大きすぎる

Webサイトの読み込み速度が遅くなる主な原因は、画像のファイルサイズ(KBやMBで表される容量)が大きすぎることです。デジタルカメラで撮影したままの写真など、数MBにもなる画像をそのままアップロードすると、読み込みに非常に長い時間がかかります。

ケース2:画像の数が多い

一枚一枚の画像のファイルサイズは小さくても、ページ内に表示される画像の数が多すぎると、それらを読み込むための通信(HTTPリクエスト)が頻繁に発生します。通信の回数が多くなるとサーバーへの負荷が増え、結果としてページ全体の表示が遅くなります。

ケース3:画像の形式が合っていない

画像にはJPEGやPNG、GIFなど、さまざまなファイル形式(フォーマット)があります。それぞれの形式には得意・不得意があるため、画像に最適なファイル形式を選ぶことが重要です。

例えば写真のように色数が多い画像にPNG形式を使うと、ファイルサイズが不必要に大きくなります。コンテンツに合っていない形式を選ぶことも、読み込みが遅くなる原因の一つです。

ケース4:必要以上に解像度が高い

必要以上に解像度の高い画像を使用すると、Webサイトの表示速度が遅くなります。例えば、Webサイト上で300px × 300pxのサイズで表示する画像に、3000px × 3000pxのような非常に解像度の高い元画像を使用しているケースです。

ブラウザが表示時に縮小してくれますが、ユーザーは見えない部分のデータまでダウンロードしていることになり、大きな無駄が生じます。Webサイトに合った解像度を選ぶことが、読み込み速度を向上させる一つのポイントです。

ケース5:ブラウザに古い情報がキャッシュされている

一度訪れたサイトの情報をブラウザが一時的に保存する仕組みをキャッシュと呼びます。画像を更新したにもかかわらず、古いキャッシュが残っているために表示が更新されなかったり、表示が崩れたりすることがあります。

厳密には読み込み速度の問題ではありませんが、画像表示の問題としてよく見られるケースです。

ケース6:サイトの構造が複雑になっている

画像の読み込み速度は、サイト全体の構造にも影響されます。例えば、大量のCSSやJavaScriptファイルが画像の読み込みを妨げていたり、サーバーの応答速度自体が遅かったりすることもあります。

つまり、Webサイトの読み込み速度が遅い場合は、画像だけでなくサイト全体の見直しが必要です。

ケース7:CDN未使用による配信遅延が起きている

コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を活用していない場合、物理的にサーバーから遠い場所にいるユーザーへの配信が遅延する可能性があります。

CDNは、世界中に分散されたサーバーにコンテンツをキャッシュし、ユーザーにもっとも近いサーバーから配信することで遅延を解消します。つまり、CDNの未活用は、体感的な表示速度の低下につながるでしょう。

ケース8:画像の事前最適化ルールを設けていない

サイトに画像をアップロードする際、撮影したままの高解像度データやデザインツールから書き出したままの画像を、そのまま使用してしまうケースがあります。

特に複数の担当者が更新作業を行う場合、最適化の手順が徹底されず、気づかないうちに数MBもの重い画像が公開されることも少なくありません。画像のリサイズや圧縮、フォーマット変換といった事前処理を確実に行うルールを設けることが、継続的な高速化には不可欠です。

【基本編】Webサイトの画像読み込みを高速化する4つの基本テクニック

ここからは、専門知識がなくてもすぐに実践できる、画像の読み込みを高速化するための基本的なテクニックを4つ紹介します。まずは以下の基本を押さえるだけでも、サイトの表示速度は大きく改善されるはずです。

テクニック1:表示サイズに合わせる「画像リサイズ」

Webサイトで表示したい画像の大きさが決まっている場合は、元画像のサイズをあらかじめその大きさに変更(リサイズ)しておきましょう。例えば、ブログ記事のサムネイルを幅300pxで表示する場合、元画像の幅も300pxにリサイズしてからアップロードします。

Windowsの「ペイント」やMacの「プレビュー」といった標準搭載のアプリでも簡単にリサイズが可能です。

テクニック2:品質を保ちつつ軽くする「画像圧縮」

画像圧縮とは、画質をできるだけ落とさずにファイルサイズを小さくする処理のことです。インターネット上には、無料で使える便利な圧縮ツールがたくさんあります。

代表的なツールとして「Squoosh」や「TinyPNG」が挙げられます。上記のサイトに画像をドラッグ&ドロップするだけで、誰でも簡単にファイルサイズを削減することが可能です。

テクニック3:最適な「ファイルフォーマット」の選択

画像の内容によって最適なファイルフォーマットを選ぶことで、画質とファイルサイズのバランスを最適化できます。どのフォーマットを選べば良いか迷ったら、以下の表を参考にしてください。

フォーマット名主な用途・特性メリットデメリット・注意点
JPEG写真、グラデーションなど色数が多い画像高い圧縮率でファイルサイズを小さくできる・透明にはできない
・圧縮しすぎると画質が劣化する
PNGロゴ、アイコン、イラスト、背景を透明にしたい画像背景を透明にでき、画質が劣化しない(可逆圧縮)写真など色数が多い画像ではファイルサイズが大きくなる
GIF簡単なアニメーション、色数が少ない画像アニメーションを表示できる256色までしか使えないため、写真には不向き
SVGロゴ、アイコンなど単純な図形・拡大・縮小しても画質が劣化しない
・ファイルサイズが非常に小さい
写真のような複雑な表現はできない
WebPJPEGとPNGの両方の特徴を持つ次世代フォーマット・高い圧縮率と高品質を両立できる
・透明やアニメーションにも対応している
一部の古いブラウザでは表示されない場合がある。
AVIFJPEGよりもさらに高い圧縮率が可能な次世代フォーマット・非常に高い圧縮率でファイルサイズを小さくできる
・高画質
・エンコード、デコードに高い処理能力が必要
・対応ブラウザがまだ少ない

テクニック4:<img>タグで押さえるべき属性

HTMLで画像を配置する際に使う<img>タグですが、いくつかの属性を正しく指定すると表示速度やSEOに良い影響を与えます。以下の具体例を参考に属性を理解しておきましょう。

<img src=”image.jpg” width=”600″ height=”400″ alt=”夕焼けの海辺の風景” loading=”lazy”>

属性説明詳細
src属性画像ファイルの場所を指定する属性必須の属性である
width属性とheight属性画像の幅と高さをピクセル単位で指定する属性指定することで、画像の読み込み前にブラウザが表示領域を確保でき、レイアウトのずれ(CLS)を防げる

・CLS(Cumulative Layout Shift)の改善: widthとheight属性を適切に設定すると、画像の読み込み前にブラウザが画像の表示領域を確保でき、コンテンツの予期せぬレイアウトシフトを防げる。

これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、SEOの評価も改善される
alt属性画像が表示されなかったときの代替テキスト画像の内容を簡潔に説明する文章を記述することで、SEOやアクセシビリティの向上につながる

・SEO効果とアクセシビリティ:alt属性は、検索エンジンが画像の内容を理解するうえで重要な役割を果たす。

適切なキーワードを含んだ説明文を設定することで、SEO効果を高められる。

また、スクリーンリーダーを使用するユーザーにとって、alt属性は画像の内容を理解するための唯一の情報源となる

【応用編】Webサイトの画像読み込み速度を劇的に向上させる4つの上級テクニック

基本のテクニックを押さえたら、次にもう一歩進んだ方法に挑戦してみましょう。以下のテクニックは、ユーザーの体感速度を向上させ、より快適なサイト体験を提供するために非常に効果的です。

テクニック1:体感速度を上げる「遅延読み込み(Lazy Loading)」

遅延読み込み(Lazy Loading)とは、ページを開いた瞬間に全ての画像を読み込むのではなく、ユーザーがスクロールして画像が表示領域に入る直前になってから読み込みを開始する技術です。これにより、初期ロード時間を短縮し、特に画像が多いページでのパフォーマンス向上が期待できます。

<img src=”heavy-image.jpg” loading=”lazy” width=”600″ height=”400″ alt=”記事後半の画像”>

効果測定としてはページのロード時間やFirst Contentful Paint (FCP)、Largest Contentful Paint (LCP) などの指標を監視し、loading=”lazy”を適用前後の値を比較することが有効です。

また、Google PageSpeed Insightsなどのツールを使用して、パフォーマンスの改善度合いを確認することもできます。

テクニック2:スマートフォン表示を最適化する「レスポンシブ画像」

パソコンでは大きな画像を、スマートフォンでは小さな画像というように、閲覧しているデバイスの画面サイズに応じて最適な画像を表示させる技術をレスポンシブ画像と呼びます。

デバイスの最適化を実装しておくと、スマートフォンユーザーのデータ通信量を節約し、快適な表示速度を提供できます。

実装には<img>タグのsrcset属性や、<picture>要素を使います。少し複雑になりますが、大きなパフォーマンス改善が期待できるでしょう。

<!– srcset属性を使った例 –>

<img srcset=”image-480.jpg 480w,

             image-800.jpg 800w”

     sizes=”(max-width: 600px) 480px,

            800px”

     src=”image-800.jpg”

     alt=”画面サイズに応じて画像が変わります”>

テクニック3:2回目以降の表示を高速化する「ブラウザキャッシュ」

ブラウザキャッシュを活用すると、同じページに再度アクセスした際に以前保存されたデータを読み込むため、表示速度が格段に速くなります。多くのレンタルサーバーでは初期設定で有効になっていますが、設定を確認・調整することで、より効果的に活用できます。

テクニック4:配信の最適化を実現できる「CDN」

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)とは、世界中に分散配置されたサーバー網のことです。オリジナルのサーバーにある画像をCDNにコピーしておくことで、ユーザーにもっとも近いサーバーから画像を配信できます。

これにより、物理的な距離による通信の遅延を減らし、Webサイトの表示を高速化することが可能です。特に、海外からのアクセスが多いサイトや、アクセスが集中する大規模なサイトで大きな効果を発揮します。

【自動化】手作業はもう古い|画像最適化を自動化する「Imgix」

これまで紹介したテクニックは非常に効果的ですが、サイトの規模が大きくなったり、更新頻度が高くなったりすると、全ての画像を手作業で最適化するのは現実的ではありません。
そこでおすすめしたいのが、画像最適化を自動化できるCDN「Imgix」です。

Imgixは、URLにパラメータを追加するだけで、リアルタイムでの画像リサイズや圧縮、フォーマット変換(WebPへの自動変換など)を行ってくれる画期的なサービスです。

Webサイトの担当者は画像処理の面倒な作業から解放され、ファイルサイズを気にすることなくコンテンツ作成に集中できます。

「Imgix」を導入するメリット

Imgixを導入することで、企業は多くの課題を一度に解決できます。代表的なメリットは、以下のとおりです。

メリット詳細
リアルタイム画像処理URLパラメータを変更するだけで、リサイズや切り抜き、フィルタ適用などが即座に反映される。

デバイスごとに画像を用意する必要がなくなる
AIによる自動最適化AIが画質を保ちつつファイルサイズを極限まで圧縮。常に最適な状態で画像を配信できる
次世代フォーマットへの自動変換ユーザーのブラウザが対応していれば、自動的にWebPやAVIFといった軽量な次世代フォーマットに変換して配信する
Core Web Vitalsの改善画像の読み込みが高速化されることで、LCPなどのスコアが向上し、SEO評価に大きく貢献する
開発効率の向上とコスト削減手動での画像最適化作業が不要になり、開発工数を大幅に削減。データ転送量も減るため、サーバーやCDNのコスト削減にもつながる

「Imgix」の導入事例

日本国内でも多くの大手企業がImgixを導入し、その効果を実感しています。

企業・サービス名導入効果
日本経済新聞社電子版にImgixを導入し、画像読み込み時間を1.1秒短縮。読者のエンゲージメント向上に成功した
株式会社一休 (一休.com)ホテル予約サイト「一休.com」で活用し、Google PageSpeed Insightsのスコアを15ポイント向上させ、SEO効果を強化した
Qiita開発者向けプラットフォームで画像サイズを大幅に改善し、サイト全体のパフォーマンスを向上させた
株式会社Connehito (ママリ)ママ向けメディア「ママリ」でコンテンツのダウンロード量を最大85%削減し、モバイルユーザーの体験を向上させた

上記の事例が示すように、Imgixは単なるツールではなく、ビジネスの成長を加速させる戦略的なパートナーとなり得ます。

Webサイトの画像読み込み速度を測定できるツール

最適化を行う前と後で、実際にどのくらい速度が改善されたのかを客観的な数値で把握することは非常に重要です。ここでは、誰でも無料で使える代表的な測定ツールを2つ紹介します。

Google PageSpeed Insights

Googleが提供する無料のパフォーマンス測定ツールです。URLを入力するだけで、サイトの表示速度を0から100のスコアで評価し、具体的な問題点と改善策を提示してくれます。

特に改善できる項目の中に適切なサイズの画像や次世代フォーマットでの画像の配信といった項目がないかを確認しましょう。Google PageSpeed Insightsで指摘された内容を改善していくことが、スコアアップへの近道です。

Googleアナリティクス

多くのサイトで導入されているアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」でも、ページの表示速度を確認できます。「行動」→「サイトの速度」→「ページ速度」を見ることで、どのページの読み込みに時間がかかっているかを特定することが可能です。

特に読み込みが遅いページから優先的に画像の最適化に着手するのが効率的です。

Webサイトの画像読み速度を高速化して愛されるサイトへ成長しよう

この記事では、Webサイトの画像読み込みが遅くなる原因から基本的な改善策、さらに一歩進んだ応用テクニックまで幅広く解説しました。

まずは、基本編で紹介したリサイズや圧縮、フォーマット選択から始めてみてください。上記のポイントを押さえるだけでも、サイトの表示速度は大きく変わるはずです。

次に、応用編の遅延読み込みやレスポンシブ画像に挑戦し、ユーザーの体感速度をさらに向上させましょう。そして、継続的な運用や大規模サイトの管理に課題を感じたら、「Imgix」のようなサービスの導入を検討するのがおすすめです。

画像の読み込み速度を最適化することは、ユーザーに快適な体験を提供し、Googleからの評価を高め、ビジネスの成果へとつなげるための重要な第一歩です。本記事を参考に、自社のWebサイトをより速く、ユーザーから愛されるサイトへと成長させていきましょう。